犬の乾性角結膜炎に対する水性カルシニューリン阻害薬による点眼治療
犬の自然発生性の乾性角結膜炎に対する水性カルシニューリン阻害薬点眼による治療
A topical aqueous calcineurin inhibitor for the treatment of naturally occurring keratoconjunctivitis sicca in dogs
Gilger BC, Wilkie DA, Salmon JH, Peel MR. Vet Ophthalmol. 2013;16(3):192-197. doi:10.1111/j.1463-5224.2012.01056.x / PMID: 22853450
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目的:
本研究の目的は、自然発生した犬の免疫介在性乾性角結膜炎(KCS)の治療において、水性カルシニューリン阻害薬、SCY-641の効果を評価することであった。
方法:
56日間にわたる無作為化二重盲検プラセボ-コントロール臨床試験を、自然に発生した免疫介在性KCSの犬において、研究者による水性カルシニューリン阻害薬液(SCY-641)、または人口涙液(プラセボ)を1日2回点眼する群に振り分けて実施した。 治療前と治療開始から7、14、28、56日間に臨床検査とシルマー涙試験(STT)を実施した
結果:
片眼あるいは両眼にプラセボを投与する10頭と、CSY-641を投与する10頭の20頭の犬で研究した。 どの処置にも副作用は見られなかった。 0日目(治療前)、あるいは治療7日目では群間の平均STT値に有意差はなかった。 治療14、28、56日目では、SCY-641で治療した犬の平均STTおよび基準以上のSTTの増加がプラセボの犬よりも有意に高かった(P<0.04)。
結論:
SCY-641は自然に発生したKCSの犬で良好な耐用性を示し、治療開始から14日目でSCY-641を処置した犬はプラセボ犬よりもSTTが有意に高かった。 これらの予備的結果は、安定したクリアーな水性液のSCY-641点眼がKCSの自然発生モデルにおいて有効で、免疫介在性KCSの治療としてさらに評価するが必要なことを示している。