糖尿病の犬は白内障手術後にドライアイになりやすい?
水晶体超音波吸引後の糖尿病と非糖尿病の犬における乾性角結膜炎の有病率に対する回顧的研究
Retrospective study of the prevalence of keratoconjunctivitis sicca in diabetic and nondiabetic dogs after phacoemulsification
Gemensky-Metzler AJ, Sheahan JE, Rajala-Schultz PJ, Wilkie DA, Harrington J. Vet Ophthalmol. 2015;18(6):472-480. doi:10.1111/vop.12238 / PMID: 25429857
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目的:
水晶体超音波吸引術後の糖尿病および非糖尿病犬における乾性角結膜炎(KCS)の有病率を評価すること。
手順:
術前および術前および全ての術後検査時のシグナルメント、体重、血糖状態およびシルマー涙試験(STT)について医療記録をレビューした。 KCSの臨床診断は、相当する臨床症状とSTT<15mm/minと定義とした。 シルマー涙試験値とSTT<15mm/minを基づくKSCの有病率を術後2-4、5-8、9-14、15-20、41-52週目に評価した。 犬の大きさ(大型、>10kg;小型、≦10kg)とSTT範囲(<15mm/min、15-22mm/min、>22mm/min)を分類し,体重とSTTがKCSの有病率に及ぼす影響を分析した。
結果:
117頭の非糖尿病(198眼)と118頭の糖尿病犬(228眼)を評価した。 術後2週間で糖尿病犬の方が非糖尿病犬(27.4%v.s.15.4%)よりも約2倍多くKCSと診断された(P=0.0088)。 全ての犬のKCS眼の割合は時間とともに低下し、最初の術後来院後に有意差はなかった。 糖尿病の小型犬は非糖尿病の小型犬(P = 0.0052)よりもKCSを有する可能性が1.7倍高かった(P=0.0052)。 術前STTは、大型犬では術後KCSの可能性と有意に関連していたが(P < 0.0001)、小型犬では関連していなかった(P = 0.0781)。 大型犬では、STTが15-22mm/minの眼は、STTが22mm/minを超える眼よりも手術後にKCSと診断される可能性が約3倍高かった。
結論:
全ての犬に対しKCSの最大のリスクは、術後最初の2週間である。 術後KCSのリスクが最も高い集団は、小型犬、糖尿病の小型犬、および術前STT≦22の大型犬である。