口唇唾液腺の自家移植による犬のドライアイ治療
Labial salivary glands transplantation in the treatment of dry eye in dogs by autograft
口唇唾液腺の自家移植による犬のドライアイ治療
Castanho LS, Moreira H, Ribas CAPM, Wouk AFPDF, Sampaio M, Giordano T. Labial salivary glands transplantation in the treatment of dry eye in dogs by autograft. Revista Brasileira de Oftalmologia. 2013;72(6):373-378. PMID:なし / ISSN: 0034-7280 / doi:10.1590/S0034-72802013000600004.
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目的
結膜円蓋への唾液腺自家移植術による、軽度、重度、さらに内科的治療に対して効果を示さない犬のドライアイに対する口唇唾液腺分泌物の眼潤滑液としての臨床的効果を評価すること。
方法
臨床的治療に対して十分な反応が得られなかった自己免疫性ドライアイ犬17頭が選ばれた。シルマーティア試験(STT)と涙液破壊時間(BUT)が涙液の量と質を評価するために行われた。動物は術前にルーティンな一連の眼科検査を受け、術後2ヶ月まで15日毎、さらに2ヶ月後まで30日毎、合計6回の再診を受けた。術前後には写真を撮影した。Photoshopを角膜血管新生の評価に使用した。
結果
術前の血管新生を伴う病変の安定化に伴い、膿性眼脂、結膜充血、眼瞼痙攣が全ての症例で緩和された。移植はBUTを改善したが、STTに有意な変化は認められなかった。
結論
この手技は簡便で迅速に実施でき、効果的でありあらゆる獣医眼科医が利用可能な手法である。内科的治療に反応性の乏しい中等度から重度の乾性角結膜炎に対して有効な手段である。
Experimental Design | Retrospective cohort study |
P | 難治性ドライアイの犬17頭 |
I | 口唇唾液腺の結膜への移植 |
C | なし |
O | TBUT、STT、角膜の新生血管数、臨床症状 |
コメント
結果では、BUTと新生血管の数が平均値のみでデータのばらつき等は示されておらず信頼性が低いです。術後の人工涙液の処方は臨床症状の改善に寄与しているかもしれません。