突発性後天性網膜変性症候群に関連した共因子:紹介病院を受診した犬151頭

Cofactors associated with Sudden Acquired Retinal Degeneration Syndrome: 151 dogs within a reference population

突発性後天性網膜変性症候群に関連した共因子:紹介病院を受診した犬151頭

Auten CR, Thomasy SM, Kass PH, Good KL, Hollingsworth SR, Maggs DJ. Cofactors associated with Sudden Acquired Retinal Degeneration Syndrome: 151 dogs within a reference population. Vet Ophthalmol. 2018;21(3):264-272. PMID:28845542

論文アブストラクト(PubMed)はこちら

目的

紹介病院で診断された突発性後天性網膜変性症候群(SARDS)に関連した因子を決定すること。

動物

SARDSと診断された犬151頭。

手順

1991年から2014年にUC-Davis獣医教育研究病院(UCD-VMTH)を受診し網膜電位図検査で診断したSARDSの犬とそれ以外の犬で、犬種、年齢、性別と体重を比較した。

結果

犬151頭がSARDSと診断され、UCD-VMTHの眼科を受診した犬は1.3% であった。36犬種が診断されたが、 ダックスフンド(n = 31、21%)、シュナウザー(16、11%)、パグ(11、7%)とブリタニー(5、3%)は有意に多かった。また、ラブラドールレトリーバー(3、2%)、参照集団と比較して有意に少なかった (P < 0.001)。年齢の中央値(範囲)と体重は、罹患犬とそれ以外の犬でそれぞれ8.9(3-20)と6.8(0.1-26)歳、12.4(2.8-52.7)と22.3(0.1-60)kgであった。SARDS罹患犬の集団では、6−10歳で体重10-20kgの犬が有意に多く、<6歳以下の犬で有意に少なかった(P < 0.01)。

避妊雌 (罹患犬の59%)はSARDSの犬で有意に多く、未避妊雌(罹患犬の1%)は有意に少なかった。

結論

先行研究と一致して、小型で中齢の避妊雌はSARDSに罹患するリスクが高いかもしれない。一方、先行研究とは異なり、本研究はSARDSに罹患した犬種を参照集団と比較した初めての研究報告である。いくつかの犬種(特にダックスフント)のSARDSのリスクの増加は、家族性の要因を示しているが、遺伝的手法を用いたさらなる調査が必要である。


 

Experimental Design Retrospective cross sectional study
P 1991年から2014年にUC-Davis獣医教育研究病院(UCD-VMTH)を受診した網膜電位図検査で診断したSARDSの犬とそれ以外
I
C
O 犬種、年齢、性別と体重

 

0