緑内障の犬における局所ドルゾラミド点眼と経口メタゾラミドに関する眼圧の変化

Changes in intraocular pressure associated with topical dorzolamide and oral methazolamide in glaucomatous dogs

緑内障の犬における局所ドルゾラミド点眼と経口メタゾラミドに関する眼圧の変化

Gelatt KN, MacKay EO. Changes in intraocular pressure associated with topical dorzolamide and oral methazolamide in glaucomatous dogs. Vet Ophthalmol. 2001;4(1):61-67. PMID:11397321

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目的

犬において局所2%ドルゾラミド点眼と経口ミタゾラミド(5mg/kg)で眼圧 (IOP)の低下を比較し、2つの薬を併用した場合それぞれ単独で用いた時よりも、眼圧がより低下するかどうかを判定すること。

動物

緑内障のビーグル13頭

手技

圧平式眼圧計による眼圧、瞳孔サイズ、そして心拍数に関する測定を、1、3及び5日目の午前8時、正午、そして午後5時に行なった。5日間の薬物を用いた研究では、プラセボ(0.5%メチルセルロース);2%ドルゾラミドを1日2回(午前8時と午後5時)片眼に投与、そして、もう対側に1日3回(午前8時、正午、そして午後5時)の投与、メタゾラミド単独経口投与(5mg/kg、午前8時と午後5時);2%ドルゾラミド1日2回点眼(5日間)に、最後の3日間経口メタゾラミドを併用;メタゾラミド(5日間)に、最後の3日間2%ドルゾラミド1日2回点眼を併用の治療計画でそれぞれ行った。それぞれのグループ間の統計的比較は、1,3,5日間のコントロール群(無処置)と、処置群(プラセボ・薬物)に関して行った。

結果

局所2%ドルゾラミド点眼の、1日2回と3回投与は、有意な眼圧の減少(平均±SEM)が、初日(1日2回7.6±2.4mmHg、1日3回16.4±3.6mmHg)から認められ、5日目(1日2回10.4±2.0mmHg、1日3回13.9±2.7mmHg)までに、さらなる十分な効果を示した。経口メタゾラミドも、両眼において、有意な眼内圧の低下が認めた。経口メタゾラミド(第1日から5日を通した投与)と、局所2%ドルゾラミド(3日目から5日を通した点眼)の併用もまた全日で両眼の有意な眼圧低下を認め、5日間の平均±SEM眼圧は、7.9±1.7mmHg(メタゾラミドとドルゾラミド併用)と、7.5±2.6mmHg(メタゾラミド単独)に減少した。局所ドルゾラミド(1から5日点眼)と、経口メタゾラミド(3日目から5日の投与)の併用は、第1日目(午後5時:9.6±1.9mmHg)、3日(午前11時と午後5時)、そして5日間全体の両眼(午後5時:コントロール眼9.5±1.8mmHg、投薬群9.2±1.9mmHg)に関し、有意にIOPが低下した。局所ドルゾラミド(2%)の1日3回滴下は、経口メタゾラミドと2%ドルゾラミド1日2回投与の併用と、良く似た眼圧低下をもたらした。

結論

ドルゾラミド(2%)の1日2回、または3回点眼は、犬の緑内障において、眼圧を有意に低下させる。1日2回の点眼は、第1日から第5日までに眼圧の継続的な低下をもたらす。ドルゾラミド(2%)と経口メタゾラミド(5mg/kg 1日2回経口)の併用は、単独投与と似た眼圧低下を起こす。

 

(Fig 3 より 原発緑内障ビーグルに1日3回2%ドルゾラミドを点眼した眼圧の変化)

Experimental Design Randomized cross over study

 

 

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