犬の続発性緑内障の発生に対する危険因子の評価:156例(1999-2004)

Evaluation of risk factors for development of secondary glaucoma in dogs:156 cases(1999-2004)

犬の続発性緑内障の発生に対する危険因子の評価:156例(1999-2004)

Johnsen DAJ, Maggs DJ, Kass PH. Evaluation of risk factors for development of secondary glaucoma in dogs: 156 cases (1999-2004). J Am Vet Med Assoc. 2006;229(8):1270-1274. PMID: 17042730

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目的

犬の続発緑内障の直接的な原因および、前部ぶどう膜炎あるいは水晶体脱臼による続発緑内障の発生率を決定すること。

研究計画

回顧的ケースシリーズ。

動物

続発性緑内障の犬156頭。

方法

医療記録から緑内障の原因を決定した。続発緑内障の犬の、犬種、年齢、性別および避妊去勢の有無を、病院の一般的な患者母集団と比較した。同時期の、水晶体脱臼あるいは前部ぶどう膜炎の診断がされた犬での続発性緑内障の発生率を決定した。

結果

眼科疾患のために診察を受けた犬2,257頭中156頭(6.9%)に続発性緑内障の診断が下されており、それらの内33頭(21.2%)が両側性であった。両眼が罹患した犬31頭(94%)での先行する原因は、両眼とも同じであった。続発性緑内障の原因で多かったのは、手術とは無関係の前部ブドウ膜炎(44.9%)、水晶体乳化吸引術後に起きた前部ブドウ膜炎(15.8%)、および水晶体脱臼(15.2%)であった。パーソンラッセルテリア、プードル、ボストンテリア、コッカースパニエル、ローデシアンリッジバック、およびオーストラリアンキャトルドッグは、参照母集団と比較して続発性緑内障の診断が予測よりも多かった。年齢、性別、避妊去勢の有無、および片側優位性は、続発性緑内障に関連していなかった。水晶体脱臼の犬および前部ぶどう膜炎の犬における続発性緑内障の発生率は、それぞれ15%と17%であった。

結論と臨床的意義

緑内障は多くの眼内疾患、特にぶどう膜炎や水晶体脱臼に続発して発生する。これらの疾患の診断には、シグナルメントに関わらず眼圧の頻繁なモニタリングが必要である。

 

 

(Figure 2より 続発緑内障の原因であると診断された眼疾患の相対的な割合)

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