難治性角膜潰瘍の猫に対して異なる手技を実施した際の治癒までの平均期間はどれくらい違う?
猫の難治性角膜潰瘍: 29症例(1991-1999)
Nonhealing Corneal Ulcers in Cats: 29 Cases (1991-1999)
La Croix NC, van der Woerdt A, Olivero DK. J Am Vet Med Assoc. 2001;218(5):733-735. PMID:11280407
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論文アブストラクト
目的:
難治性角膜潰瘍の猫に対して、デブライドメント、格子状角膜切開とデブライドメント、そして表層角膜切除術を実施した際の治癒までの平均期間の比較をすること。
デザイン:
回顧的研究。
動物:
29頭の猫(難治性角膜潰瘍の26眼)。
方法:
難治性角膜潰瘍の猫の医療記録を再調査し、シグナルメント、臨床症状の持続期間、眼異常、様々な治療プロトコールに対する反応を記録した。
結果:
罹患していた猫の平均年齢は7歳8ヶ月で、品種はドメスティクショートヘア(17頭)、ペルシャ猫(9頭)、ヒマラヤン(2頭)、シャムネコ(1頭)であった。臨床症状は、紹介されるおよそ2週間前に明らかに発現した。4頭の猫は両眼が罹患していた。デブライドメントでの角膜治癒までの平均日数は30日であった。デブライドメントと格子状角膜切開を行ったものは、治癒までの平均日数は42日だった。2眼には表層角膜切除術を行い、2週間で治癒した。角膜壊死症の形成は、デブライドメントと格子状角膜切開で治療された13眼のうち4眼で確認された。
結論と臨床的意義:
短頭猫に難治性角膜潰瘍が発生する傾向がある。デブライドメントと格子状角膜切開の組み合わせは、デブライドメントだけの治療より平均治癒期間が短縮されなかった。格子状角膜切開は角膜潰瘍を角膜壊死症に悪化させるかもしれない。
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