犬の角膜及び前眼部の異物による外傷:218症例のレビュー

Corneal and anterior segment foreign body trauma in dogs: a review of 218 cases

犬の角膜及び前眼部の異物による外傷:218症例のレビュー

Tetas Pont R, Matas Riera M, Newton R, Donaldson D. Corneal and anterior segment foreign body trauma in dogs: a review of 218 cases. Vet Ophthalmol. 2016;19(5):386-397 PMID:26359142

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目的

角膜及び前眼部異物 (CASFB) による外傷に罹患した犬の臨床データのレビューと、異物(FB) による外傷とその結果としての眼球摘出術のリスクファクターを決定すること。

動物

2001年1月から2012年12月までにAnimal Health Trust (AHT) に来院したCASFBによる外傷に罹患した犬。

手順

CASFBによる外傷の症例の 臨床データと、同時期に来院したAHTの利用可能なその他の眼科症例のデータを比較した。異物外傷の深度は4つのカテゴリーに分類した。それぞれのカテゴリーにおいて異物の種類と除去方法が記録された。続発性ぶどう膜炎と水晶体の関連性の程度をグレーディングし、眼球摘出術との関連性を調べた.

結果

218頭のCASFBによる外傷の症例の平均年齢(標準偏差)は3.96 (2.95)歳であった。CASFBによる外傷のリスクファクターは5歳より若い犬で、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、ラブラドール・レトリーバー及び使役犬であった。ほとんどの犬でFBの除去のため全身麻酔を必要とし、皮下注射針が最も使用された器具であった。水晶体の関与は全層CASFBによる外傷の数症例で認められたが(n = 49, 45%)、多くが軽度の水晶体の損傷であった(n = 37, 76%)。水晶体の外傷と水晶体破砕性ぶどう膜炎は、ほとんどの症例で内科的に治療され、水晶体超音波乳化吸引術は数症例のみ初期治療として選択された(n = 10, 20%)。眼球摘出術は全体の6%の犬で実施された。眼球摘出術との統計学的に有意な関連性が、FB外傷の深度、ぶどう膜炎の程度と水晶体の損傷の重症度に認められた(P < 0.001)。

結論

若齢犬、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、ラブラドール・レトリーバー及び使役犬ではCASFBによる外傷のリスクが増加した。眼球摘出術のリスクファクターは全層に及ぶFBの貫通と重度の水晶体の損傷とぶどう膜炎であった。

(2歳の去勢雄のラブラドール・レトリーバーの前眼部の経時的変化。散瞳後。Fig.11 より)


Experimental Design Retrospective case cohort study
P 2001年1月から2012年12月までにAnimal Health Trust (AHT) に来院したCASFBによる外傷に罹患した犬
I
C 同時期にAHTに来院した犬
O CASFBによる外傷のリスクファクターと、異物(FB) による外傷とその結果としての眼球摘出術のリスクファクター

 

 

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