A retrospective study of eyelid tumors from 43 cats

猫の眼瞼腫瘍43症例の回顧的研究

Newkirk KM, Rohrbach BW. A retrospective study of eyelid tumors from 43 cats. Veterinary Pathology. 2009;46(5):916-927. PMID:19429997

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テネシー大学の病理診断サービスに1999年6月から2008年6月までに提出された検体から、眼瞼または瞬膜が罹患した猫の腫瘍症例を検索した。43例の腫瘍検体が検出された。診断時の平均年齢は10.4歳であった。眼瞼腫瘍は雌よりも雄のほうが有意に多かった。12例の扁平上皮癌(SCCs)、11例の肥満細胞腫(MCTs)、6例の血管肉腫(HSAs)、4例の腺癌(ACAs)、3例の末梢神経鞘腫瘍(PNSTs)、3例のリンパ腫、3例のアポクリン汗嚢腫(AHCs)、2例の血管腫が存在した。MCTsの猫は他の腫瘍タイプの猫よりも有意に若齢であった。逆にSCCsの猫は、他の腫瘍タイプの猫よりも有意に高齢であった。HSAsおよびSCCsは他の腫瘍よりも非色素領域に生じる確率が有意に高かった。MCTs、HSAs、AHCsおよび血管腫は、外科的切除の後には再発することはなかった。逆にリンパ腫、ACAs、SCCs、およびPNSTsはしばしば再発し、および/あるいは猫の死亡や安楽死の原因となった。SCCsはMCTsと比較して有意に再発が生じやすかった。SCCsの猫の生存期間の平均値は7.4ヶ月間であった。猫での眼瞼MCTsは 報告されているが、本研究での有病率は過去に記載されているものよりも非常に高い。


Experimental Design Retrospective case series
P テネシー大学の病理診断サービスに1999年6月から2008年6月までに提出された病理検体のうち、眼瞼または瞬膜のみが罹患した猫の腫瘍検体
I
C
O 目的は「猫の眼瞼腫瘍の報告」とある。発生率、雌雄差、再発率、部位、生存期間などの報告。

コメント

テネシー大学(北米)での病理組織学的検査に提出された猫の眼瞼もしくは瞬膜に発生した腫瘍の検体を調査した報告です。SCCが最も多く調査検体の28%(12/43)を占めており、続いてMCTが多く26%(11/43)でした。12例の扁平上皮癌のうち9例がフォローアップ(1〜23ヶ月後)可能であり、生存期間の平均値は7.4ヶ月+/-2.5(SDかSEM記載なし)だったと、本研究では報告しています。しかしながら、全てのフォローアップは飼い主もしくは紹介元の獣医師とのコンタクトにより行われ、再発・転移の有無の詳細が記されていないこと/病理組織学的に確認されていないことから、非常に大きなバイアスのリスクが存在すると考えられます。さらに死亡が確認された全ての7症例は高齢で、死亡理由は安楽死でした。この結果の解釈には十分な注意が必要です。

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