犬血漿点眼ボトルの臨床症例への使用後の細菌混入の評価

Evaluation of microbial contamination of canine plasma eyedropper bottles following clinical use in canine patients

犬血漿点眼ボトルの臨床症例への使用後の細菌混入の評価

Strauss RA, Genschel U, Allbaugh RA, Sebbag L, Ben-Shlomo G. Evaluation of microbial contamination of canine plasma eyedropper bottles following clinical use in canine patients. Vet Ophthalmol. 2018;34:611. PMID: 29797413

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目的

臨床現場で使用した際の犬血漿点眼の細菌混入を調査し、異なる2つの容器の細菌混入率に対する効果を比較すること。

方法

46個の血漿を含んだ点眼ボトルを、42頭の犬の潰瘍性角膜炎に無作為に割り当て使用した。そのうち、23個は標準的な点眼ボトルで、他の23個は混入を抑える設計がされているNovelia®の点眼ボトルを使用した。2週間使用後、細菌培養のためのサンプルをボトルから滴下した血漿 、ボトルの先端、ボトル内の血漿、また角膜表面から採取した。真菌培養はボトルから滴下した血漿 を用いて行った。

結果

全体的な細菌混入率は17.4% (8/46 ボトル)であった;しかしながら、ボトル内血漿から採取して細菌培養が可能であったのは1ボトルであった。Novelia® のボトルを使用した細菌混入率(3/23 = 13.0%)は、標準的な点眼ボトルの混入率 (5/23 = 21.7%)と比べて低かったが、その差に統計学的有意差は認められなかった(P = 0.57)。また、7日間以上使用したボトルと、7日間もしくは7日間以下の使用ボトルの菌の混入率に差はなく、1日に4回以上使用したボトルと4回以下のものでも菌の混入率に有意な差は認められなかった。3例の角膜(6.5%)から菌が検出されたが、ボトルの菌の混入とは一致しなかった。

結論

臨床的に血漿を含んだNovelia®の点眼ボトルは菌の混入率を低下させるかもしれない。しかしながら、血漿点眼ボトルから菌の混入が検出された一方で、臨床的な問題は観察されなかった。この研究はNovelia®もしくは標準的な点眼ボトルに入った血漿点眼が、冷蔵保存され2週間以内に使用された場合に安全であることを支持している。

 

(Figure 1より (A)スタンダードな点眼ボトル(B)Novelia®の点眼ボトル)

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